2004-09-20 王妃の館 浅田次郎 男の思い出はみな傷だが、女の思い出はみな美しい。わかりますか、カオリ 男は傷を負いながら強くなるが、女は記憶の化粧をして美しくなります 私はね、この人が死ぬと言っても死なせはしない。けっしてこの人と一緒に死にもしない。もし私が死ぬことでこの人が生きられるのなら、喜んで死ぬわ。女房の覚悟はそれだけ。務めもそれだけ。一人の男を愛し続けるということは、つまり、それだけ。 人間はな苦労の分だけ涙もろくなるんだ