精選択一問題集 (設立全般〜株式交換・移転)
- 募集設立においては失権手続が認められているが,必ずしもこの手続きをとる必要はなく,通常の強制執行の方法により払込を強制することができる
⇔発起設立(強制執行のみ可,失権手続は不可)
- 設立登記のために支出した税額は,創業費として「費用の繰延」とるするのが費用収益対応の原則に合致するため,貸借対照表に繰り延べ資産として計上することができる
- 設立費用のうち①定款認証の手数料②株式の払込につき銀行又は信託会社に支払うべき報酬 は,金額が確定的であって濫用の危険がないから,定款に記載又は記録することは必要ではなく,その記載又は記録がなくとも当然会社の負担となる(商168条)
- 株式の払込を遅滞した株式引受人は,失権したと否とを問わず遅滞による損害賠償責任を負う(商179Ⅲ)
- 募集設立の際の株式の払込については,払込取扱機関のみならず,払込の取扱場所をも定めなければならない
cf.払込の取扱場所のみの変更には裁判所の許可は不要
- 株主総会の決議内容が法令に違反する場合,その決議は無効であり,その無効は一般原則通り,だれでも,いつでも,いかなる方法によっても主張することができる
⇔株主総会決議取消の訴え
- 本店とは主たる営業所をいい,1カ所に限られる
- 監査役には,不足額填補責任ははない
⇔発起人・取締役
- 株式買取請求権を行使するには,当該決議事項に反対の意思が客観的に明確になされる必要があるので,①決議がなされる前に会社に対して書面又は電磁的方法をもってその決議の内容とされている行為に反対の意思を通知し,「かつ」②株主総会において反対の意思を表示しなければならない
- 数種の株式を発行した場合においては①新株の引受②株式の併合,分割,買い受けもしくは消却③株式交換・移転,会社の分割もしくは合併による株式の割当④新株予約権もしくは新株予約権付社債の引受⑤資本もしくは資本準備金もしくは利益準備金の減少に伴う払戻 に関しては,定款に定めがなくても,株式の種類に従い各別の定めをすることができる(商222Ⅸ)
- 株券喪失登録がされた株券が,その株券に係わる権利の行使のために株券発行会社に提出された場合,株券発行会社は,株券提出者に株券喪失登録がされている旨を通知しなければならない
cf.株券喪失登録者が株主名簿上の株主と異なるとき
- 相続によって株式を取得した者は,株主名簿の名義書換をしなければ会社に対してこれを対抗することはできない
cf.譲渡制限(取締役会の承認なしで可)
- 株式の譲受人が名義書換を失念していた場合に,株主割当による新株発行がされた場合,新株引受権は株式譲渡人に帰属する(最判昭35.9.15)