ファイナル編 1回目

  • 民法法人の社員の表決権は奪うことができないとともに,一審専属的なものとみるべきであることから,譲渡性,相続性を持たないと解するべきである(通説)
  • 民法法人の総社員の1/5以上から会議の目的である事項を示して請求があったときは,理事は,臨時総会を招集しなければならない。この1/5の割合については,定款でこれと異なる割合を定めることはできるが,社員からこの請求権を全く奪うことはできない
  • 相手方が表意者の錯誤を知っているとき(悪意)は,たとえ表意者に重大な過失があったとしても,表意者は無効の主張をすることができる
  • 遺言により指定された相続分を超える部分について,他の共同相続人は,その超える部分を取得した第三者に対し,自己の権利を登記なくして主張することができる

cf.特定の相続人に特定の不動産を相続させる趣旨の遺言

  • 電気料金債権を被担保債権として日用品の先取特権は発生する

cf.日用品の先取特権は法人には成立しない(最判昭46.10.21)

  • 抵当権侵害による損害額は,抵当権実行の時又は抵当債券の弁済季語抵当権実行前における賠償請求権の行使時を基準として算定する(大判昭7.5.27)
  • 選択債権の選択権は,相手方に対する意思表示によって行使する。このときに相手方の承諾を必要としない
  • 選択は,債権の発生の時に遡ってその効力を生じる

⇔給付の一つが不能となることによって,残存する給付に特定が生じた場合には遡及しない

  • 連帯債務者の一人に対する一部免除は,その者の負担部分を全額の免除を受けた場合に比例した割合で減少させ,他の連帯債務者の「債務」もその分減少させる
  • 法定代位を主債務者及び第三者に対抗するするために対抗要件を具備する必要はない
  • 瑕疵担保責任の瑕疵の有無は,売り主が公告をして,目的物が特殊の品質及び性能を有することを示した場合,その特殊の標準によって判断する

cf.見本がある場合

  • 瑕疵担保責任に基づく買い主の損害賠償請求権は,買い主が瑕疵を知ったときから1年以内に行使しなければならない。この期間は除斥期間であり,当該権利を保存するためには,売り主の責任を問う意思を裁判外で明確に告げることで足り,裁判上の権利行使をするまでの必要はない
  • 建物とその敷地の賃借権が売買の目的とされた場合に,敷地に賃貸人に置いて修繕義務を負担すべき欠陥があっととしても,賃貸人に修繕義務の履行を請求し,又は賃貸借の目的物に隠れた瑕疵があるとして,瑕疵担保責任を追及することは各別として,売買の目的物に瑕疵があるとすることはできない
  • 自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合,たとえ養子となる者が未成年者であっても,家庭裁判所の許可を要しない。この配偶者には死亡配偶者は含まない。
  • 相続欠格も相続人の廃除も相続資格を奪うものであり,相続能力自体を否定するものではない